どうも、コウノ工房の光野です。
最近は、セキュリティ対策を手掛けてりしています。情報セキュリティマネジメントの資格もゲットしました。
でも、正直、セキュリティ対策ってモチベーションが上がらないんですよね。
- セキュリティ対策って面倒くさいだけじゃない?
- VPN、証明書、複雑なパスワード、メールのマスキング、PCロック……正直、生産性が落ちるよね
こういう気持ち、持っている人は多いのではないでしょうか。
「これはやりすぎだろう」、「もはや、儀式になっている」と感じたことが何度もあります。
まぁ、不要 or 必要でいえば、必要なんでしょうね。 でも、実際に自分の行動を抑止される瞬間には「なんでこんなことまでしなきゃならないんだ」と不満が噴き上がるものです。これは非常に人間らしい、自然な感情だと思います。
今回はセキュリティ対策を「価値ある行動」として前向きに捉えようではないか、というテーマで考察してみようかなと思いました。
企業のセキュリティ対策が厳しい理由
個人利用なら、Windows や Chrome が標準で備えるセキュリティ機能を有効にし、常に最新にしておけばかなり安全です。しかし、企業には個人とは異なる事情があります。
- 扱うのは「他人の大事な情報」
個人が漏らして困るのはせいぜい自分のアカウント情報程度ですが、企業は数万件、数百万件単位の顧客データや取引先情報を抱えています。これを守れなければ信用失墜や裁判、株価下落といった致命的なダメージにつながります。 - 被害額の規模が桁違い
個人の被害は数万円規模で済むことが多いですが、企業の情報漏洩やシステム停止は数千万円から数億円に及ぶこともあります。大手企業がランサムウェアで数日停止すれば、数十億円の損害につながることも珍しくありません。 - 法令や契約上の要件
個人情報保護法、GDPR、金融庁の基準、取引先からのセキュリティチェックリスト。これらをクリアしなければ「取引の土台」にも立てません。
つまり企業のセキュリティ対策は「気分でやっている」のではなく「事業継続に不可欠だから」徹底されているのです。
「形式的」に見えるのはなぜか?
現場からすると、セキュリティが「形式ばかり」と感じられることも多いでしょう。
- 取引先から求められるセキュリティチェックシートを、担当者自身が理解していない
- 社員に細かすぎる規則が課され、とにかく「守れ」とだけ言われる
- 飲み会での発言やメール誤送信など、人間の不注意のほうが現実的なリスクに思える
これらはもっともな感覚です。
実際、件数ベースでは「内部の不注意やうっかり」が多い一方、金額ベースでは「外部からの攻撃」が圧倒的に高額。両方に対応しようとした結果、どうしてもルールが増えてしまうのです。
セキュリティは「制約」ではなく「信頼につながる資産」
セキュリティを「仕方なくやるもの」と捉えると負担感しか残りません。
しかし視点を変えれば、セキュリティは単なる守りではなく「攻め」にもつながります。
- 取引先から「御社はしっかりしていますね」と評価されて契約が決まる(=売上アップ)
- フィッシングを即座に報告して被害を防ぎ、社内で表彰される(=評価アップ)
- 「この人は誠実だ」という信頼がプライベートの印象アップにもつながる(=好感度アップ)
- 「セキュリティ経験あり」と履歴書に書けて転職市場で有利になる(=キャリアアップ)
こうしたエピソードは実際に珍しくありません。
セキュリティはコストではなく、信頼を得て成果に変える投資になり得るのです。
せめてこれだけはやっておこう 5つの基本
細かいルールを全部覚えるのは非現実的です。
そこで、誰にでもできて効果が大きい「最低限の5つ」をまとめました。
- ソフトを最新に保つ(アップデート)
Windowsやブラウザの更新を怠らない。これだけで多くの脆弱性は防げます。 - 強いパスワード+二段階認証
パスワードマネージャーを使い、重要アカウントには必ず二段階認証を設定。 - 怪しいメール・リンクを開かない
添付はすぐに開かない、リンクは確認してからクリック。迷ったら報告。 - データのバックアップ
クラウドや外部ディスクに保存。PC故障やランサム被害でも業務を止めないための保険。 - 端末のロックと紛失対策
席を立つときは自動ロック。スマホやPCにはパスコード必須。紛失時はリモートで消せるよう設定。
これらを実践するだけでも、多くのセキュリティ事故は防げます。
まとめ:セキュリティは「未来の信頼をつくる行動」
セキュリティ対策は確かに手間がかかり、不便に感じることもあります。ですが、その本質は「人や会社の信頼を守り、未来のチャンスを広げる行動」です。
どうせやるなら、義務としてこなすのではなく、自分や組織の価値を高めるための投資として取り組みたいものです。まずは「5つの基本」から始めてみましょう。