ひとり情シスって何?IT業務のワンオペ・属人化に潜むリスクと対策
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SE・情シス担当歴20年のコウノです。
本記事では、IT担当者が不在・ひとり情シスのリスクと対策を解説します。
ITの重要性を理解しているものの、ひとりの社員が会社のすべてのシステムを担っており、彼・彼女が離職すると業務が停滞してしまうリスクが潜んでいませんか?
システム部門を設置せず、ITに詳しい人やアルバイトに業務ツールやホームページのメンテナンスを丸投げしてしまい業務を属人化させてしまうケースがあります。
本記事では、企業における情シス部門の重要性と担当者不在となる際に生じるリスクと対策を解説します。
IT担当の重要性は理解しているから、システム導入を始めたい、既存のシステム・業務ツールのメンテナンスを相談したいという方は、以下のリンク先からお問い合わせください。
深刻なひとり情シス問題
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どの職種にも属人化やワンオペはつきものですが、エンジニア職はその傾向が強い気がします。
ひとり情シスとは
「ひとり情シス」という言葉があります。読んで字の如く、1名の担当者で会社のシステム・危機を管理・運用している状態を指します。
ひとり情シスとは、情報システム部門の担当者が社内に一人(二、三人の場合もある)しかいない状態を指す用語です。ひとり情シスとは? 増えている背景や抱える課題、解決策を徹底解説
ITに限らずどんな業種の仕事でも、業務が属人化してしまうのは危険です。IT部門は、属人化・ワンオペになりやすいので対策が必要です。
パソコンが詳しい人が情シスを兼任してしまう現実
管理部門を設けている企業は多いですが、総務部門や経理部門だけでシステム部門がない企業は多々あります。IT業務は専門性が高いため、情シスの設置が後手後手になる傾向があります。
とはいえ、IT業務は存在するため、パソコンに詳しい別部署の社員が兼任したり、ITに詳しい人をアルバイトで雇用してPC管理や業務ツール、ホームページのメンテナンスを丸投げしてIT業務を属人化させてしまうケースがあります。
そもそも、ITエンジニアは離職しやすい職種
また、IT関連の業務に携わっている人は独立志向が強い、キャリアアップや異業種への転職を希望する、激務になりがち、といった理由から定年退職となる前に退職する人が多い職種です。入社数年で退職してしまうケースも珍しくありません。
当初は複数人のIT担当者が在籍していたものの、離職・休職により「ひとり情シス」になってしまうケースもあります。IT人材の確保が難しく、採用が難航するのも原因のひとつです。
IT担当不在による業務影響
エンジニアの離脱は業務停止につながります。ITエンジニアが離職してしまい、業務停止になりかける企業を遭遇した経験があります。IT担当が離職することにより停滞する業務の具体例を列紹介します。
- ホームページのコンテンツが更新できない
- エクセルのテンプレートが更新できない
- パソコン・プリンタの初期設定ができない
- 基幹システムのメンテナンスができない
- 情報セキュリティの維持が困難になる
他にも、新たなシステム導入が遅れ、業務の停滞や生産性の低下につながります。また、企業のノウハウや技術情報が喪失するリスクもあります。情シス担当の退職は、企業の業務に大きな影響を及ぼす可能性があります。
情シス担当の不在リスクを軽減する対策
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情シスが不在となるリスクを軽減する対策を解説します。
情シスを設置する
IT業務の選任部隊「情シス」の設置は、「ひとり情シス」の最も効果的なリスク対策です。
管理部門は、組織全体が事業を円滑に営むための運用と管理を担当します。総務・人事部門や経理部門が管理部門を代表する業務ですが、Web会議や勤怠管理・給与計算・基幹システムなど情報システムを活用する場面は多く、システム部門を設けることが必須の時代です。
私の経験では、従業員が100人以上なら(拠点が複数あるなら特に)、最低でも5人(兼任でも可)、100人未満の規模であっても3人は情シス担当を配属させたほうがいいでしょう。
マニュアル・FAQを活用して知識を共有する
情シス担当の持つ知識やノウハウを適切に共有することが重要です。
社内共有システムやドキュメント管理ツールを活用して、情報の可視性とアクセス性を確保しましょう。情報が迅速かつ簡単に検索できる体制を整えることが重要です。
しかし、ドキュメント作成は難しく時間もかかるのも事実です。ドキュメンテーションが苦手、ドキュメント管理ツールの導入にお悩みの場合は、ご相談に応じますので、下記リンクからお問い合わせください。
会社全体のITリテラシーを向上させる
情シス担当の不在リスクに備えて、バックアップ人材の育成が求められます。
経理や総務は、役員・他部署の管理職など業務を把握している社員がいる一方で、システムを把握している社員は少ない傾向があります。
内部の従業員に対して継続的な教育プログラムを提供し、IT関連のスキルと知識を向上させることで、情シス担当の不在時にも業務を円滑に継続できる体制を整えましょう。新入社員や中堅社員に対して継続的な教育プログラムを提供し、情シス業務に関するスキルと知識の向上を図るのがよいでしょう。
アウトソーシングやコンサルティングの活用
情シス部門の設置を検討しても人材確保が困難という悩みを抱えている企業も多いです。そんなときは、コンサルや外部のエンジニアへの外注を併用するのが有効です。
人材確保に難航する場合は、外部の専門家やITコンサルティング会社との協力も有効です。アウトソーシングやコンサルティングサービスを活用することで、一時的な人材不足や特定のプロジェクトにおける専門的な支援を受けることができます。費用はかかりますが、専門性の高いエンジニアに対応してもらうことができますので、安心・安全にIT業務を依頼できます。
しかし、業務の丸投げは属人化・ワンオペリスクの根本対策にはなりません。ノウハウを自社に貯められるようにアウトソーシングすることが大切です。人材確保・IT業務の委託先にお悩みの場合は、ご相談に応じますので、下記リンクからお問い合わせください。
まとめ
IT担当者の退職リスクへの対策は、企業の業務継続と情報セキュリティ確保にとって重要な課題です。情シス担当者の退職による影響を最小限に抑えるために、IT担当者の退職リスクへの対策の重要性を理解して、管理部門の役割と責任を認識し、バックアップ人材を育成するなど総合的な対策が求められます。
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